『僕たちの好きだった革命』
東京芸術劇場でサードステージ『僕たちの好きだった革命』を観劇。この舞台は再演で、安原さんは今回から校長先生役で出演している。
藤子プロからも花が届いていたが、お目当てだった『のび太とアニマル惑星』DVDの販売はなし。代わりに鴻上氏のサイン付きの『ドン・キホーテのピアス 13』を買う。
土曜にもかかわらず、2階席は締め切られている。観客が少ないのだ。インフルエンザ騒動の影響だろうか。内容は良かったので残念だ。
内容は学生運動中に意識を失った男が目覚め、高校に復学する。現代の高校生と交流する中で互いに「革命」が起こり始める、というもの。
サードステージの舞台は三度目だが、映画シナリオを演劇へ移し替えるという企画から出発しており、『のび太とアニマル惑星』がこの延長線上にあったことを改めて認識した。
笑い所もたっぷりある。ヘリ中継と地上のレポーターを田島令子が兼ね役しているのだが、棒に雲の絵と共に吊されたヘリコプターを被るのがシーン切り替えで、ついタケコプターを連想してしまった。
安原さんは校長先生役がメインだが、何役か兼ね役しており、変化ぶりを見るのも楽しい。校長といっても、理事長の顔を伺うところが中間管理職っぽい。もちろん演説シーンもたっぷりある。パンフでは初体験を告白。プロフィールに『ギョーテック』が入ったのは初めて。鴻上氏曰く、「放し飼いのおじさん達」の一人。
主役の中村雅俊も好きな俳優で、CDも何枚か持っているので、劇中での歌唱シーンに聴き入ってしまった。
以下ネタバレ
私は学生運動を経験していないが、学生時代の教師の中には、今思うと学生運動の影響を感じる人もいた。
小学校4.5年の担任教師は、教室にまんがコーナーを設置した。そこには『カムイ伝』『スポーツマン金太郎』といった、我々とは接点のなかった作品が並んでいた。案の定、そのコーナーは人気がなかったが、暇な私は一通り目を通していた。ガリ版でのクラス便りも熱心に出していた。
短大の国語教授は、私のパーマン卒論を認めてくれた人だが、何かの拍子に学生運動をしていたことを漏らした記憶がある。地方短大でマイナー作家の研究を専攻しているという経歴から、自分が本流に乗れなかった理由として学生運動を挙げたのだ。
ラスト、中村雅俊演じる主人公は、制圧に乗り込んだ若い機動隊員に撃たれ絶命する。学生運動に遅れてきた世代である隊長が叱責すると、隊員は「ブサヨ」だから撃ったと侮蔑を込めて答える。
この舞台の時代設定は1999年。私は「ブサヨ」という言葉は2ちゃんねる発祥だと思っていたので、違和感を感じた。しかし、帰宅の車中で『ドン・キホーテのピアス 13』を読んでいると、あえてこの言葉を使った理由が分かる気がした。
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